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自然と暮らす、田園風景物語。

自然と家族が息づく暮らし

豊かな自然に囲まれた閑静な地、広島県の、県北エリア。M様ご夫婦は3歳になる息子さんと、3人家族で暮らしています。

ご主人の実家隣の納屋があった場所に、2年前に新居を構えたこの家は、ご夫婦の深い愛情と希望が随所に息づいています。奥様も同じ広島県のご出身で、この地での暮らしはご夫婦にとって自然な選択でした。

子育ては田舎で

かつては広島市内のマンションで暮らしていたお2人。お子様の誕生を機に「田舎で子育てをしたい」という思いが芽生え、郊外への移住を決意されました。当時はウッドショックの最中でしたが、土地代がかからなかったため、その分を家づくりに惜しみなく注ぎ込むことができたと言います。

日々のゆとりと楽しみ

将来的に、両親の近くにいたほうが様々な面で安心だという心得も視野に入れた選択だったそう。何より、家づくりをしたことで、日々の生活にゆとりと楽しみが生まれたようです。

導線の良い、木の家

そんなご夫婦の家づくりに尽力してくれたのは、ご主人の同級生であり、飲み友達だという深い信頼関係のある友人の竹本さん。タイミングよく自身の家を建てたところで、見学させてもらったところすごく素敵だったことから、家のテイストもトントン拍子に決まったのだとか。
そしてまた、その竹本さんが崇拝する建築家・伊礼智さんの思想にご主人も影響を受け、小さくても導線が良い家を目指しました。

友人おすすめのキッチン

自分を熟知してくれている友人からの「絶対ここのが好きだとおもう」という強い勧めもあり、キッチンは、あまり他のものを検討することなくウッドワンのスイージーに決めたと言います。

木の感じ

「この木の感じが好き」というご主人。
ショールームで確認した製品の品質自体に魅力を感じたこと以外に、信頼できる友人からの具体的な使用感や、ライフスタイルへの適合性が、即決に繋がったのかもしれません。

時を重ね、愛着を深める木のキッチン

家づくり中は、0歳児の小さな赤ちゃんだった息子さんも、この家ですくすくと成長。最近は家族で一緒に炊事時間を楽しむように。

しめじを「もぎもぎ」。上手にできました!

家族とともに育つ、木のキッチン su:iji(スイージー)NZ20 ナチュラル色

キッチンは、ニュージーパイン🄬のナチュラル色を選択。床材や家具はオーク(ナラの木)で統一し、空間全体にシンプルながらも木の温かみも取り入れられたデザインが特徴です。

「変化していくものが好きなんですよ。経年して深みを増していく感じが」と、ご主人。

木は時間と共に風合いを増し、深みのある色に変化していく過程は大きな魅力。とくに、パイン材のようなマツ類は樹脂を多く含むため、それが時間をかけて細胞のひとつひとつに染み込み、美しい“あめ色”に変わっていきます。

傷は家族の物語

お子様が遊んでつけた“ガッとやるような傷”についても「僕は気にならないです。むしろ傷を見るたびになんか思い出すじゃないですか。これ、あのときドンっとぶつけたな、とか、おもちゃ落としたなとか。そういうほうが、好き」と、ご主人。

かつて野球少年だったころに、グローブやスパイクを大切に手入れしながら使い込んでいた経験から、「“馴染んでくる”感覚」と共通するものがあるのだとか。
傷や経年変化を「劣化と捉えない」という哲学を持ち、大好きな洋服なども「高くてもながくつかえるものが好き」と言います。

料理を彩る逸品

またキッチン道具のほとんどは、ご主人チョイス。キャンプ好きも高じて「道具にもこだわりたいタイプ」なのだとか。

銅製の卵焼き器

特にお気に入りは、銅製の卵焼き器で、その熱伝導率の良さから「卵がふわっとできる」と絶賛。オール電化住宅のため、キッチンの加熱機器はIHですが、この道具を使うためにカセットコンロを併用されています。

ふわふわたまご(M様ご提供写真)

調理器具には「家事問屋」さんの、穴の開いたフライ返しなども愛用。質の良い道具を使うこと自体を楽しむ、という感覚なのだそう。

Instagram カメラ妖怪@camerayoukaiさんとして、カメラも使いこなすご主人。「人と暮らしと台所」の発信もされています。

そんな台所事情ですが、基本平日は奥様が、週末はご主人が炊事担当をすることが多いそう。Instagramに掲載されている美味しそうなお料理は、ご主人の手づくり品も。

手洗いが好き

キッチンは、シンク側と加熱機器側を2列に分けたII型で、お互いに料理が好きなので、2人一緒に立てるよう少し広めに設計もされました。

炊き立てごはん

ご飯は、自分たちで育てたお米で、水道水は井戸水を使用。お鍋で炊いたものを、すぐに専用の容器にそのまま入れて冷凍。いつでも簡単に、炊きたて同様の風味で美味しく食べる工夫も。

借景を活かした窓辺。季節が移ろう田園風景で心豊かに。

キッチンに立つと、家族の気配をいつでも感じられ、ふと窓外に目をやると、落ち着いた田園風景が広がります。家の前に広がる田んぼの借景は最大限に活かしたいという想いがあり、「窓」は、家づくりでご夫婦が最もこだわったものでした。

「おもしろいのが、この辺りは毎年育てるものが変わるんです。小麦とかネギとか。何畑になるのかわからないのが楽しいです」と、予測できない自然の面白さも日々享受しているそう。

春夏秋冬楽しめる、ピクチャーウィンドウ。

冬には一面に雪景色が広がり、季節ごとの豊かな表情が暮らしに彩りを与えます。家が西向きのため、西日が強く差し込む夕方の時間帯は、その光が室内に温かい雰囲気をもたらすそう。

ちなみにこの地域の田んぼは法人化され、みんなで共同作業が行われます。毎年ゴールデンウィークには田植えに参加し、自分たちで育てたお米が食卓に並びます。
「この地域では、僕が一番若手ですね」とご主人。

のびのび成長する子ども

以前と異なり「音に気を使わなくてよくなった」と、一軒家暮らしの大きなメリットを実感するご夫婦。子どもがのびのびと過ごせる環境は、何にも変えがたい悦びですね。

成長に合わせた家具選びも。

木のおもちゃ。

「家建ててほんとよかったなあ」と、新居での暮らしへ深い満足感を語るお2人。賃貸時代は、エアコンの掃除すらする気にならなかったそうですが、持ち家になってからは、家への愛着から、お手入れにも積極的になったと言います。

愛と記憶が刻まれる、唯一無二の住まいをこれからも育てていってほしいですね。


(文:松岡)


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