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2019.06.11

自然が、自然に、とけこむ日々 #07

湿気の季節のキッチンで自然素材の道具と気持ちよく暮らす~使い方編~

自然を感じる暮らしって、ローカルな場所でなければできないのでしょうか?日本の伝統って、いまの私たちの暮らしとは縁の遠い話なのでしょうか?きっと、そんなことはありません。「自然が、自然に、とけこむ日々」のシリーズでは、もっと自由に、いまのスタイルにあわせて、日本の風習や、季節の情緒を楽しむかたちを探っていきます。

 

前回は、天然素材の道具を気持ちよく使うために知っておきたい“素材の特徴”をご紹介しました。~素材の特徴編~はこちらから。

様々な道具にしてあげられること

木のまな板は衛生面を考えて、野菜と肉魚用を分けたり、裏表を使い分けたりするのがおすすめです。肉や魚を切ったあと、消毒のために熱湯をかける場合は、まずたわしと流水で動物性タンパク質を洗い流します。この時に石鹸を使ってもかまいません。洗い流さずいきなり熱湯をかけるとお湯でタンパク質汚れが固まってしまいます。その後、六面全ての水分をふきんで拭き取って乾燥させます。

竹ざるの巻縁(まきぶち)は巻いた竹の中に編み終わりの竹の端が納められているので特に乾燥させにくいところです。出来るだけ水を振り出したあと、縁をふきんでにぎるように丁寧に水分を吸いとりましょう。

陶器は、木や竹に比べてカビが生えるという印象が少ないかも知れませんが、使い方によっては充分その可能性があります。特に、素焼きであることの多い土鍋の裏面や、貫入・粉引(※)などの釉薬の器などは注意が必要です。おろし立てに米のとぎ汁で20分ほど煮沸して鍋のまま冷ます「目止め」は、少々面倒ではありますが、でんぷんが穴をコーティングすることで、カビだけではなくシミや汚れの予防にもなるので手間をかけておくだけの価値はあります。

※貫入:焼き上げ時、素地の上に掛けた釉薬は溶けてガラスのような層となる。その後の冷却の過程で、素地と釉薬との伸縮率の差によって生じる細かいヒビ模様を”貫入”という。
※粉引:素地の上に白色の化粧土を施し、透明の釉薬を掛けたのちに焼き上げた陶器。素地と釉薬の間にもう一つ層が出来るのでシミや汚れが付きやすい特徴がある。

正しく乾かすための風通しとは

竹、木、陶器、いずれの場合でも「風通しの良い状況で乾燥させるように」といわれますが、これは、風が良く通る場所というよりも、空気が溜まらない状態にしておくということです。重ね置いたり伏せ置いたりせず、また物との接点が少ないよう、表面がなるべくたくさん空気に触れる状態で乾燥させて、完全に乾いてから収納したり使ったりしましょう。

湿気の多い日本の夏に活躍していた自然素材の暮らしの道具は、本来この国の暮らしにぴったりなもののはずです。素材についての知識と使い方のコツを覚えて、長く良い関係でお付き合いしてくださいね。

 

〈 取材協力 〉

hitofushi

http://hitofushi.com