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2019.06.07

自然が、自然に、とけこむ日々 #06

湿気の季節のキッチンで自然素材の道具と気持ちよく暮らす~素材の特徴編~

自然を感じる暮らしって、ローカルな場所でなければできないのでしょうか?日本の伝統って、いまの私たちの暮らしとは縁の遠い話なのでしょうか?きっと、そんなことはありません。「自然が、自然に、とけこむ日々」のシリーズでは、もっと自由に、いまのスタイルにあわせて、日本の風習や、季節の情緒を楽しむかたちを探っていきます。

自然素材の二つのイメージ

我が家の台所では、自然素材を使ったいろいろな生活道具が日々活躍しています。
家業の関係で、子供の頃から木製のキッチンツールを使って育ってきたせいでしょうか、今も杓文字やヘラは当たり前のように木製のものを選びますし、まな板は相変わらず祖父が切ってくれたヒノキのものを使っています。

自然の素材の道具は「長持ちする」「使い心地がいい」、ものによっては「美味しくなる」などの良さがあると言われますが、一方では「カビが生える」「腐る」「手入れが面倒」という印象を持っている方もいらっしゃいます。

この両極端な意見、実はほんのちょっとのお手入れの差で生まれます。
これから迎える湿気の多い季節にも天然素材の道具を気持ちよく使うために、素材の特徴を理解したお手入れのコツをご紹介しましょう。

小さな穴の特徴を覚える

自然素材の表面にはたくさんの小さな穴があります。例えば木のお櫃の場合、この穴が水気を吸ってくれるのでご飯が腐りにくく、米粒がふやけず美味しいまま保存できます。

ところが反対に、水が付いたまま放置しておくと、穴がストローのように水を深くまで吸い込んで木の奥まで濡れてしまうため、変色とカビの原因になってしまいます。つまりは、自然素材のメリットもデメリットも同じ「穴」の特徴が影響しているということです。

カビを発生させないためには「長時間濡れた状態にしない」ということが大切。ストローに余分な水を吸わせないことと、吸った水をなるべく早く乾燥させることとがポイントになります。「なるべく早く」ですから、洗って水を切ったらできるだけすぐにタオルやふきんで表面の水分を拭き取らなくてはいけません。カゴで水を切り、そのまま自然乾燥を待っていると、時間が経つほどに奥へ水を吸い込んでしまうからです。

次回は、具体的な使い方のコツをご紹介します。

<取材協力>

hitofushi

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