このままずっと、続いていく。
買っちゃおうか
会社の元同僚だったというご夫婦。結婚して約5年、お互いのワークスタイルがなんとなく固まってきたタイミングで「買っちゃおうか」と、都内の中古マンションを探しはじめたそう。家探しをする中で一番に考えたのは、結婚前から二人で可愛がっていたという保護猫「キャスパー」の存在。一緒に暮らせることは絶対条件だったのだとか。
リノベーションは不動産サイトを通じて巡り合った会社さんと、奥様が普段から集めていたというインテリアの写真をたくさん共有して、設計イメージを膨らませていったそう。
愛猫キャスパーと
商社で働く奥様と、会社役員として海外出張も多いというご主人。
「僕は普段から日本でも海外でもけっこう自由に動いていますし、お互い独立してそれぞれが好きなことをやっていますね。どちらかというと家にいるのは彼女のほうが多いから。リノベーションに関して僕はあまり口を出さずに、彼女のやりたいことが実現出来たら一番いいなと思っていました」
広々としたLDK
ワークスペース(書斎)と寝室は、それぞれの仕事や生活のペースがあるので部屋を分けて、リビングダイニングキッチンを大きめに確保。お互い別々のことをしていても存在は感じつつ、気にならないくらい穏やかに過ごせそうな、広々と大きな部屋です。椅子も、それぞれの好みで選んだものを。奥様はこのリビングのテーブルで、リモートワークすることが多いそう。
猫と暮らす
「リビングのドアは大きいガラスのものにしたかったんです。家に帰ってきたときに、猫がガラス越しに待ってくれているのをみたくて」と、お茶目でかわいい奥様。
来客があると隠れてしまうというキャスパー。撮影中もいつの間にか姿を消してしまいましたが、部屋のところどころに飾られた観葉植物は、猫ちゃんにとっても居心地が良さそうです。
海外をイメージ
家具や内装についてはいわゆるおしゃれといわれるSNS、そして動画サイトは海外のものまでたくさん見て、家具屋さんには実際に何度も足を運んで、自分好みの納得がいくものを探したそう。とくに好きなのはラグ。トライバルラグなど、ぽこぽことしている感じが好きで、最近集めがちなのだとか。
「なんかね、満足がいくというか、永く使えるものを選びたかったんです」と奥様。
リノベーションのはなし
設計担当をしてくれたというAさんは、リノベーションにまつわるいろんなアイデアを提案してくれたそう。
「”わたしのこと、すごいわかってるぅぅ”っていつも言ってたよね。なんだか2人、相性 いいなとおもってたよ」とご主人。
共有していたのはほぼピンタレストでピン留めしていた写真で、やはりそれは、海外のものが多かったそう。
キッチンはコノママ cono:mamma
「キッチンは、賃貸物件についてるような、“ザ・キッチン”じゃないもので、2人で動けるものがいい、と伝えていました」と奥様。
「なんとなく、見た目だけでなく使いやすさも重視されている気がしたので、グレードの低いもの、凝った造作をしたもの...ではなくて、ちょうどいいタイミングでご提案もいただいた、ウッドワンさんのキッチン一択だったかなと。扉面材は悩んだのですが、今回は框ではなくフラットな感じがよかったし、なによりこの前面のリブっぽい感じが。奥様からいただいた海外の事例もリブパネルっぽいものが多くて、それもありましたね。この細さの感じは家の雰囲気に合ってますよね」と、リノベーション担当のAさん。
ちなみにこのキッチン天井のさりげないアーチの角度や厚さにもちょっとしたこだわりがあり、それは街歩きで得られたインスピレーションからきているのだとか。
レイアウトから選べるキッチンcono:mamma ※掲載のタイプは、Pool B II列型キッチン(シンク側ペニンシュラ)
キッチンは、そんなにいろいろと比較はしなかったものの、新宿OZONEのショールームには2、3回足を運んだという奥様。
「でも実は、ちょうどプランをするときにコノママが発売されたばかりだったこともあって、展示もなくてみれなかったんです。テイストが違うことは理解しつつも、スイージーの雰囲気でなんとなく想像して、もう“えいやぁ”という感じでした(笑)とはいえほかのキッチンで選択肢があったかというとみつからなかったし、みつけられなかったので」
2人で使うことも
いつも朝は7時くらいに二人で起きて、朝食の支度はご主人がするそう。
「キッチンを使う頻度としては圧倒的に彼女のほうが多いですが、広いので2人でも動けるのはいいですね。一緒に使うときは、僕は煮るとか焼くとかの温め担当、彼女はサラダとかの生もの担当です」
II型配列のキッチン
「僕がひとりのときは、もう全部ぶわーって時短でやりたい派。こっちで切って、こっちで 炒めて鍋の準備して、とか。ぐちゃぐちゃに汚すこともあるので、彼女には怒られるんですけど (笑)。でも一気にできて、めちゃくちゃ使いやすいですね、このキッチン。ほんとですよ」
ホンモノの木、突板オークxステンレスバイブレーションのワークトップ
「イメージには合っていましたが、あえていうなら、今は全部引き出しタイプでスッキリはしてるんですけど、一部だけ扉のないユカオキみたいなオープンの収納棚とかだったら、食器が飾れたり、鍋とかがさっと取り出しやすかったりしたのかな」と奥様。
海外のおみやげ
「これは北欧のほうだったかな。僕がおみやげで買ってきたものです。食器とか雑貨とか、かわいいのを海外で調達してきたりするので、こういうのが飾れたりすると楽しいかもね」とご主人。
こだわり
リノベーションがすごく楽しかったので、もしまた家を建てる機会があるならこの経験を 活かしたいという奥様。中でもすごくこだわって悩んだというのが「タイル」。
白のタイル
「同じ白でも、“焼き”でぜんぜん色が違うんです。ちゃんと実物をみるのにこだわったので、床材のサンプルを持ってタイル屋さんを周ったりとか、いろいろしましたね」
洗面台
洗面台は生活感が出やすい場所なので、それをいかにすっきりさせるか、頭を悩ませたそう。部屋のところどころに小さなお花が飾られていて、シンプルな白に、清潔感と爽やかさを感じます。
新居で暮らし始めて約半年
これから、海外の友人や同僚も家に招いてみたいというお二人。
部屋を広く明るくみせる真っ白のカーテンは、日暮里の繊維問屋街で買った、安くて大きな布で奥様が手づくりしたものだそう。今は間に合わせで付けているそうですが、来週には、吟味して選んだものがやっと届くのだとか。
インテリアにお仕事に、新しい暮らしはお二人にとってちょうどいいペースで“このまま”ずっと続いていきそうです。
(文:松岡)