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「サードプレイス」を「ファーストプレイス」に。

ファーストプレイス

ひとり暮らしをしていたときに「住」の充実こそが、自分が大事にしたい価値観の一つだと気づいたというHさんご主人。年齢や経験を重ね、いつか家づくりをする時には…と、本や雑誌、youtubeやInstagramなどのSNSでも情報を集められていたそう。念願のマイホームに「後悔はないですね」とおっしゃる姿に、このお家が大好きなんだなという思いが伝わってきました。
ここは「成田の家」としてウッドワン空間デザインアワード2023戸建て・マンション新築部門で濱田猛さん(HAMADA DESIGN)がウッドワン賞を受賞された物件です。
「人と時間と空間を大切にする」という濱田さんの考え方にご主人が共感し、建築設計をお願いすることを決めたそうです。

目を引くグレーの外観

大阪府の郊外にあるHさん宅。車通りの多い2車線道路から路地に入り、細い道を進むと、ひときわ目を引くグレーの外観があらわれます。

必ず通る場所に本棚を

玄関から廊下の先に見えるのは、ご主人が「本を読む子になってほしい」という思いから設けた造作の本棚。いつも目について、自然と本に触れることのできるよう、毎日必ず通る場所につくったそう。

階段下にぴったり納まった本棚

家づくりの本や雑誌、漫画の他に、右下の棚にはお子様の絵本が。寝る前に好きな絵本を1冊選んで寝室に持って行くそう。

2階LDK

階段をあがった先に、天井の高い開放的なLDKがあらわれます。南向きのバルコニーからは、あたたかい陽が差し込みます。

南北に光が抜けるリビングダイニング

いつも家族が集うLDKなので、1階にするか、2階にするか迷ったというHさん。
「濱田さんにお任せして、両方のプランを作ってもらいました。周囲からのプライバシーを確保したかったことと、窓から見える借景を楽しみたくて、2階にLDKをもってくることにしました」とご主人。
階段のある北側から、バルコニーのある南側まで、心地よい光が抜けます。

窓から楽しめる借景

北側の窓の外には大きな百日紅の木が。見頃になるとピンクの花が満開になるそう。ダイニングテーブルで、お気に入りの椅子「HIROSHIMA」に座って、外の景色を眺めるのは至福のひととき。

南側のバルコニー

プライバシーを確保するため、南側の大きな窓には高い壁をもうけながらも、自然と空が見えて明るく室内を照らします。南北に光と風が抜けるように、部屋に仕切りはありません。

4人家族

勤務先で出会い、ご結婚されたというHさんご夫婦。現在は小学校1年生の長女れいちゃんと1歳半になる長男しゅんくん、お子さん2人の4人家族です。

「主人とは勤務先の先輩として出会いました。当時から”商品企画”という立場で、とことん調べてやり尽くす仕事ぶりを知っていたので、家づくりに関してもほとんど主人に任せきりでした」と、奥様。

土地選び

土地は利便性を考慮しつつ、ある程度建物に予算配分ができそうな、大阪府でも郊外の場所を選ばれました。奥様が唯一要望をあげたのは「懇意にしているコンビニが近いこと(笑)」。グーグルのストリートビューで検索され、運よくこの場所を見つけられました。

内装はカフェをイメージ

昔から、カフェでコーヒーを飲むことはもちろん、店舗の内装や外装を見に行く目的でもよくお店に通っていたというご夫婦。中でも、地域の人や文化に溶け込む店舗の建築デザインを好み、家づくりの参考にもしていたそう。開放的な窓、天井や軒天の木質感、素材感を感じる壁、グレーやブラックを用いたデザイン配色…。自分の好きな場所を、日常の暮らしに取り入れられました。

毎日の日課

毎朝コーヒーを飲むのが日課というご夫婦。飲料メーカー勤務というご主人は、いつもいろいろな豆を試しているそう。

カフェと同じ雰囲気の壁材

原材料にこだわり、環境にも配慮された素材を使用した壁材。「白華」というセメントの質感を生かした造りで、時とともに次第にその風合いが変化していくそう。
当初は部分的に使用する予定だったところ、濱田さんからの提案により、キッチンの背面からバルコニーの外まで全面に贅沢に使用され、内と外の空間の連続性を生み出しています。

鎧張り(よろいばり)

少しずつ重ねた鎧張り施工。陰影が生まれ、壁に存在感を与えています。キッチン背面のカップボードの高さと吊り戸の下端の高さにラインが揃えられ、随所に濱田さんのプロとしての細かな提案もうかがえます。

西側の壁には「ポーターズペイント」を。

本物の素材を使用し、光の表情や陰影までも表現するというポーターズペイントの壁。時が経つごとに味わいが増していくという楽しみもあるそう。

「時間や季節の変化とともに、バルコニーから差し込む陽の入り方も変わります。壁に光が当たったときの、何とも言えない柔らかい雰囲気が好きです」とご主人。」

キッチンはsu:iji スイージーNZ20、ミディアムブラウン色 アイランド型キッチン

壁材など、LDKで使用する素材は一つ一つ吟味して決めたので、それに見合うだけのものにしたかったというHさん。キッチンもたくさん調べられたそう。

「当初は造作キッチンという考えもありましたが、ショールームでスイージーを見て、ほぼ気持ちは固まりました。無垢の木とブラックのワークトップ。この組み合わせがツボでした」とご主人。
メーカーとしての安心感もあり、納得できるものが見つかったため、造作キッチンよりもむしろ良いと思ったそう。

皮革のようなテクチャーが特長の人大クオーツ シボのワークトップ

「いつもおおざっぱなんですけど、傷や汚れはぜんぜんつかないです。コンロ廻りの油汚れもアルコールでサッと拭けばとれますね。熱いお鍋などを直接置かないようには気を付けています」という奥様。使用1年が経過しているとは思えない、まだまだ新品のような美しさでした。

NZ20 浮造り仕上げ の扉

キッチンの扉はフラットで手触りの良い浮造り仕上げのタイプが良かったというご主人。子供たちは、キッチンを中心に走り回りますが「傷はまだあまりついていないですね。ついても味だと思うことにしています」と、奥様。

シンク下にぴったり納まるゴミ箱

「スイージーはシンク下オープンという仕様があって、海外製の食洗機も3種類くらいから選べますよね?そういった点が他社にはなくおススメさせてもらっています。」と濱田さん。

シンク下には、ご主人がしっかりと測ってぴったり納まるゴミ箱を探されたそう。

お手伝いポイント

キッチンが家の中心にあることで「私が料理をしていると、娘は“何か手伝うことない?”と言ってくれることが増えました」と奥様。今はお箸を並べることが娘さんの役割。お手伝いアプリでポイントをためているそう。れいちゃんの手が届く、収納庫2段目の引き出しには自分のお茶碗が入っています。

食洗機は深型、フロントオープンタイプ

「以前の住まいにも食洗機はついていたのですが、コンパクトタイプで容量が足りず、パズルのように食器を入れるのが煩わしかったんです。共働きなので、大型食洗機は必須でした」と、奥様。今では1日分を夜にまとめて洗っているそうです。

リビング側にも全面に収納を。

とにかく収納は確保したかったという奥様。キッチンのリビング側も全面に収納が付いています。小学校にあがったばかりのれいちゃんの文房具など、こまごました生活必需品を入れているそう。
「子供部屋を設けていないので、今はダイニングテーブルで宿題をしています。本当はカップボードの横にデスクを付けたいのですが、今のところまだ悩み中です」とご主人。

家事動線と収納量を確保したファミリークローゼット

「キッチンもですが、家全体としてとにかく収納量を確保したかった」という奥様。ご夫婦そろって”洗濯”の作業は苦手だそうで、いかに手間を省くことができるかを考えたそう。
サニタリーには室内物干しも設置され、洗濯→干す→たたむ→しまうが1箇所で完結できる間取りです。

「もちろん細かい点は濱田さんに修正いただきましたが、ずっと頭の中でどうすれば楽になるかシミュレーションしていました」とご主人。サニタリーや収納量を確保したファミリークローゼットは、なんとご主人自ら図面を描いたそう。

「娘も小学生になったので、ファミリークローゼットから自分のものを持ってきて自分の準備は自分でするようになりました」と、奥様。

サニタリーからファミリークローゼット、キッチンと、全体を回遊しやすい間取りは、子どもたちにとっても楽しい様子。取材中、れいちゃんは翌日の学童の準備もはじめていました。

家族が集うキッチン

キッチンとダイニングが並列して、一つの塊として、この家の中心になっているHさん宅。今は夫婦ともに仕事、家事、育児に追われて…吟味して選んだ無垢材の床にも、ところどころにキズやよだれのシミが。これも、思い出として経年“美化”の一つ。
「丁寧な暮らしの“て”の字すら見当たらない」という日々で、何かと慌ただしいそうですが、やっぱりこの家が好きだと思える場面が日常にはよくあるそう。

「これからシンボルツリーを決めたいな」というご主人。お家と、お子様と、これから一緒に成長していく素敵な木が見つかると良いですね。

(文:鈴木)


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設計:HAMADA DESIGN


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