白い框組扉のキッチンが舞台。午後は家族でお茶会を
とろけるような夢の住まいで、家族と育む日々。
日本の真ん中、中部地方。ゆたかな水に恵まれた故郷に溶けこむような、外観にも内装にもブルーとホワイトを取り入れた一軒家。
玄関から一歩踏み入れた瞬間、目も心も奪われるヨーロッパのお城に招かれたかのようなLDKは、その見た目だけでなく住み心地でもご家族におおきな変化をもたらしています。走りまわる子どもたちに、容赦なく壁をかじる仔犬たち。おおらかに育つ家族を見守りながら、ご夫婦の「大切にしたいこと」を丁寧に織り交ぜて。
S様ご家族の綴る、宝石箱のようにきらめく暮らしをたずねました。
輸入住宅のイメージで、框組扉のキッチンを探しつづけた。
家づくりにあたっては、海外からの輸入住宅を希望していたという奥さま。その一方でご主人は高気密高断熱といった機能性の高さを重視されていた。お互いの希望を擦り合わせしつつ、内装選びは奥さまが、外装選びはご主人が主体となり、役割分担をすることに。
輸入住宅のような憧れのインテリアを実現するために、奥さまが軸として考えられたのは、LDKの主役となるキッチン。
「框組(かまちぐみ)扉のキッチンが良くて、たくさん調べて探しました」と振り返る。
框組扉のキッチン
“框組扉”とは、薄い板の四方を棒状の板(框)で囲んで組み上げ、額縁のように仕上げた扉のこと。古くから家具や木製ドアに用いられている技法で、ヨーロッパの住宅にも多く見られる。
もともと考えていたという別のキッチンは、ショールームで実物を見ると、その框組の印象が「少しイメージと違うな(框が浅い)」と感じて、テレビドラマをきっかけに知ったというsu:ijiスイージーに決められた。
けれども家づくりを考えていた2018年当時、ウッドワンのカタログでもショールームでも、希望する扉グレード(NZ50・NZ60)の写真や展示が少なくてとても苦労されたとか。
ショールームの展示を参考に作りあげた、ヨーロッパ家具さながらのカップボード。
カップボードの、吊戸棚上部には、装飾部材の「支輪(しりん)Rタイプ」を、下部には優雅な曲線の「オープンボックスRタイプ」をあわせて付けた。
最初にプランを頼んだときは、何も付いていないシンプルな吊戸棚を提示され、「あれ?何か違う」と感じたのだとか。
クラシカルな重厚感を演出する、オプションアイテムの支輪とオープンボックスが付くことで、いっそう華やかな気品に満ちた姿に仕上がった。
海外食洗機も付けて、広くゆったりとしたキッチン。見た目だけでなく使い勝手も◎。
キッチンと洗面台に選んだ、イタリアの真鍮製取手
白い框組の扉とあわせて譲れなかったのが、きらめくゴールドの取手。スイージー「こだわり取手セレクション」の中から選定した。6年の味わいをかさねている木の扉を包みこむように、やわらかな輝きを放っていた。
LDK隣にある、同じ世界観のひろがる洗面室
キッチンと併せて、洗面台もウッドワンの「無垢の木の洗面台」に。扉も取手もキッチンと揃えたことで、LDKと同じ空気を纏っている。
ローラ アシュレイのミラーにジョー マローン ロンドンのスキンケアボトル。海外インテリアのような、気分を高めるアイテムで彩られている。
図書館の本を読んだり、目の前の庭で遊んだり、家族の気配がいつも身近にある。
コンパクトな生活動線を重視して設計された住まいの中では、家族のコミュニケーションも自然と豊かになる。
特に子どもが幼いときは、LDKのある1階だけで生活を完結できるようにと意識されたそう。
以前の住まいは3階建てで階段移動が多く、奥さまが妊娠中に足を滑らせるなど、とても苦労したことが今につながっている。
人も通れるサイズのキャットウォークを設けた、リビングの吹き抜け。
エアコン一つで全館空調をかなえたいと、ご主人のたっての希望で設けた吹き抜け。もともとは懐疑的だった奥さまも「大きな洗濯物の室内干しが出来るんです」と、今ではこの家の好きなところのひとつとして胸をはる。
もう少し考えてもよかったかなというポイントとしては、狭いバルコニーはいらなかったということ、ランドリールームを作ればよかったということ。
そう語る奥さまからは、インテリアを含め「家族の暮らし心地のよさ」について、日々丁寧に向き合っている様子がうかがえる。
奥さまが家の中で「一番好き」だという眺め。
洗面室の扉を開け放つと、キッチンと洗面台が姉妹のようにつらなって映る。ダイニングテーブルから、キッチンと洗面台が一直線に見通せる。
「家事の合間に一息ついたとき、この眺めがキレイになっている日は嬉しくなります」
ダイニングの上には、1灯の繊細なシャンデリア。
シャンデリアとやわらかな日差しの揺れるダイニングでお茶会。
小学2年生の長男は“お茶会”が好きで、ここには家族が頻繁に集う。
南向きの窓に面したダイニングは、レースのカーテン越しに差し込む光がシャンデリアと紅茶にやわらかく反射して、幻想的な時間を紡ぎだす。
ご主人にとっても「海外ぽくていいキッチン」というスイージーの周りに、家族が集う。
正午に差しかかると、ご主人が慣れた手つきで昼食のお味噌汁の支度をはじめる。
ご夫婦でたわいもない会話をしながら、野菜を出す役、切る役、お鍋を火にかける役、お味噌を出す役、野菜の芯を片付ける役・・・、阿吽の呼吸で巡っていく姿に、私たちも言葉を忘れて見惚れてしまったほど。
以前暮らしていた家で、台所に立っていたのは奥さまのみ。まさしくワンオペだったという。小さなキッチンで調理スペースが狭く、「台所に立つのも食材を切るのも嫌でした」。
住まいが変われば、暮らしが変わるということを目の当たりにできた瞬間。
もともと居た猫に加え、最近飼い始めた愛犬・ビションフリーゼの「マル」と「ベル」。
ふわふわで愛くるしく、人懐っこい2匹だが、まだまだ仔犬なこともあり家の至るところをかじってしまう。
階段下を利用、おとぎ話の入り口のようなヌック。
階段下に設けられたヌックスペース。
以前はアートを飾ったりパソコンを使う空間だったが、今では愛犬のくつろぎ処になっている。
壁と内部、現在は白い左官仕上げ。
仔犬たちがかじってボロボロになっていた壁紙。ホームセンターで見つけた「手で塗れる左官材料」を使って家族で塗りなおした。
材料が床や壁に飛び散ったり、落とすのが予想以上に大変だったりとかなり苦労したけれど、そんなエピソードも含めて「やってよかった」と、家族の思い出として刻まれている。
床設置のエアコンの上に手作りの収納棚を増設して、家電置き場を広げた。
「DIYはそんなに『やる』というタイプではないんです」というご夫婦だが、自宅にある工具を使って調理家電の収納棚を増設したりと、暮らしをアップデートすることにも常に前向き。
SNSを通して知り合ったスイージーの仲間と、キッチンの情報交換をすることも。
「住んでいたら、なんだってボロボロになりますから」と朗らかに話される奥さまは、いつかこの無垢の木のキッチンを塗り替えてみたいという未来も描かれている。
(文:早川)
[お客さまと木のある暮らしとのつながりデータ]
[ウッドワンの商品を選んだ理由] 希望通りの框組扉のキッチンだったこと。