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暮らしの不便を理想のカタチに。住み継いだ家に「自分たちらしさ」を

築28年の家をリフォーム。

壊すのがもったいないくらい綺麗で、まだまだ住めそうだったという築28年の家。それでも真ん中に大きな廊下があったり、お客さん用の大きな応接室があったりと、現代の生活スタイルとは合わない部分が多々あったので、リフォームすることに。
ここで生まれ育ったというご主人のご両親も「住みたいように変えたらいいよ」と言ってくれたそうで、家事効率を考えた明るい家にしたいという奥様の希望もあって、大きく間取り変更した。
大空間でありながら随所に工夫が凝らされ、機能的で明るく開放的な家に生まれ変わっている。

2階の使わない部屋をなくし、吹き抜けに。

もともと1階には二間続きの和室や縁側があり、日当たりがとても悪かった。天井部分を切り取ることで吹き抜けを作るという大胆な間取り変更を行ったことにより、リビングに明るい自然光が入る。
また洗濯動線が長く、移動範囲が広いからと、奥様が「階段を2つ付けたい」と言っていたくらいだそうだが、物干し場の場所を変えることで、動きやすく、暮らしやすい間取りに変更され、その必要はなくなった。

吹き抜けになった2階部分。

窓からは海を眺めることができ、遠くに美しい島々が見える。

リフォームによって、海の見える範囲が広がったそう。(過去にイルカの大群が会いに来てくれることがあったのだとか!)

ご家族5人と、設計の髙野さま

大人数で集まることの多いご家族。新たにテーブルを出さなくてもいいように、この大きなカウンターと、動きやすい対面キッチンはとても効率的。

キッチンを中心とした広々ダイニング。

近くに住む、ご主人のお姉さま2人のご家族も一緒に集まって、総勢20人くらいが集合することもあるそう。

広々カウンターは、特注オーダー(集成カウンター/一本芯ニュージーパイン3m✕0.9m)

大きいと大人数で集まったときに重宝するし、作業台としても広々使うことができる。奥様は趣味のパンを焼くなど、いろいろな使い方ができて生活がとても豊かに。子どもたちは、近くに住むおじいちゃんおばあちゃんと一緒に、ここで「お寿司屋さんごっこ」をしたりするとか。
広々使えるけれど、普段はなにも置かないようにすっきりみせることを心がけているそう。

家事導線が考えられたコの字型キッチン。

大きいカウンターと一緒の素材にしたかったし、経年で飴色に育っていく楽しみも含めて、フレームキッチン、樹種「ニュージーパイン🄬」を選択。
フレームキッチンはやっぱりかっこいいなと思っていたし、家事効率を考えると扉付きよりオープンのものがよかったそう。実は、ご主人は「見えるけど大丈夫?」と思っていたそうだが、「モノを増やさないという戒めにもなるから」と奥様。

一番打ち合わせをして思い入れもあるというキッチン。

もともと住んでいた家での“暮らしの不便”をヒントに、奥様が打ち合わせを重ねて、機能的なキッチンに仕上げていった。以前は「昔ながら」の壁側に付いたキッチンで、いろいろとモノをしまい込んでいたそうだが、その不便を言葉にして伝えたそう。
「使いかたのイメージ、使う頻度なども細かく把握されていたので、提案がしやすかった。」と設計の髙野さん。

カウンター席から一段下がった部分にある、大容量の造作収納。

見える部分は、すっきりみせてほしいという設計者の想いもあり、その反対側の収納はかなり工夫がされており、市販のカゴや棚がぴったり納まるなど、絶妙なバランスで設計されている。食事の際、奥様はいつもこのキッチン側に座るので、カウンター下に脚をいれられるようにと、ワゴン式で動かせる収納になっているなどの配慮も。

ダイニング席からみえるフレームキッチンは、すっきり。

食器洗い機は海外製。フロントオープンで大容量のもの。

いっぱい入るので、食器洗い機は洗い物を1日分溜めてからまわすそう。「すごく静かだし、水道代も思ったほどかからないのもなおさらいい。少し値ははるけど、時間をお金で買ったと思ってます。」と奥様。

子どもたちがキッチンに入ることも。

みかん農家であるお父さん、お母さんたちが、愛情をこめて作ったみかんジュース。一番上のお姉ちゃんが、ジュースに炭酸を加える準備。3姉妹で、仲良く分け合う。

果汁100%みかんジュース「橘」

みかんシーズンは冬の11月~12月。絞った直後よりも、半年ほど寝かした夏頃が一番おいしい飲み頃だそう。みかん農家のお仕事は、摘果(間引き)作業など、なにかとやることがあり年中とにかく忙しいそう。
「みかんは、手をかければかけるほどおいしくなる。これからの季節(夏)は汗だくになるけれど、木陰は涼しくて、幸せな風が吹くんですよ。」とご主人。

そんな忙しい合間をぬって、打ち合わせを重ねて完成した家。

たまたま近くでやっていた完成見学会にふらっと行って、実際本当に家づくりをはじめたのはその2年後。妥協はしたくないからと、さらに打ち合わせは1年ほど重ねたそう。
「僕らもフツウがわからなくて、ちょっと言い過ぎかなとおもったけど、(髙野さんが)なんでも聞いてね、という雰囲気を出してくれていたので話しやすかった」とご主人。

「その時の見た目だけでつくることはいくらでもできるけど、お客様はこの先、30年40年使うものなので。塗装が剥げたり水漏れしたりしてしまうとお客様もストレスになるから、素材は吟味しますね。キッチンは、耐久試験もされたメーカー品をおすすめしたし、それがイメージとぴったりあったからよかった。」と、設計の髙野さん。

普段から“暮らしの不便”とじっくり向き合って、それをうまく言葉にして伝えることで、

家には「自分たちらしさ」がうまれるのかもしれませんね。

(文:松岡)

瀬戸内海を望む山間に広がるみかんの段々畑。取材に車で向かう途中に見た、なんだか珍しい地形。

太陽をいっぱいに浴びて、収穫時期に向かって山はオレンジ色になっていくのだそう。

帰り道には、海に写るきれいな夕日が。

ドラマや映画のロケ地にもなったことがあるという JR予讃線の「下灘駅」。
たまに珍しい電車が通るのだとか。

[お客さまと木のある暮らしとのつながりデータ]
[建物種類] 戸建てリフォーム
[ご家族構成] ご夫婦2人、お子様3人の5人家族


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設計・施工:株式会社アクティブ・アート


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