猫と暮らす。「カスタマイズのできる家」
築67年リノベーション一軒家。
愛知県豊田市、山間の地にその場所はありました。豊田市というところは、世界でも有名な車メーカーがある「クルマのまち」。交通網も充実している地域です。
ご訪問させていただいたお宅は、名古屋駅から車で一時間ほど走った、市街地からは少し離れた場所にある戸建て一軒家です。築67年にもなりますが、少々理由があって、建て替えができないという特徴がありました。設計事務所様がその物件を買い取ってリノベーションを手掛けたところ、もともと賃貸暮らしで家を探していたオーナーN様とタイミングよく出会ったそうです。
良いところは残しつつ、まさにヴィンテージ1点もののお宅となっていました。
オーナーであるN様は、ご夫婦2人で、愛猫たちと暮らせる一軒家をずっと探していたそうです。
ご主人は、長期で海外出張されることも多く、普段は奥様おひとりとのこと。日中はいつもこのキッチンのあるリビングダイニングでリモートワークをしているそうです。
愛猫と、付かず離れず一緒に暮らすには抜群の環境のように思えました。
キッチンは、猫のおやつを仕舞ったりできるよう、棚をはずしてカスタマイズ。
市販の小引出しを置いたり、リビング側にはラタンのカゴを収納に使っています。
物件をみにきたとき、新しいのに古民家ともマッチしているこのフレームキッチンが気に入って、最終的に購入の決め手にもなったそうです。
「今でもとても使いやすく、メンテナンスもしやすいですが、まだまだ自分好みにアレンジ、進化させていくつもりです」
ともお話してくださいました。
愛猫専用のお部屋もありました。
来客には人見知りのようです。
こちら既存の応接室と納戸をつないで大きく生まれ変わったという南向きの部屋は縁側に面していて、広々とゆったりできそうです。
日差し除けにもなる「ゴーヤ」の緑のカーテンがついていました。
取材時はお天気のよい夏の日でしたが、クーラーがなくても涼しく感じたほどです。
足元には杉の無垢床が全体に使用され、家中ふわっと森の心地よい薫りが漂っていました。
猫ちゃんが走り回るそうで、よくみるとひっかき傷も多くみられましたが
そこまで目立ちません。床も愛おしく感じるのは無垢の床ならではなのかもしれません。
走り回ったり寝たりと気ままな猫ちゃんです。日向ぼっこがとても気持ちよさそう。
(奥様よりお写真頂戴しました。かわいい…!)
縁側とは反対の北側には立派な中庭がありました。
「レトロ」ということばがぴったりはまるガラス戸がついていました。
ガラス戸は、磨きなおしされて、そのまま再利用されています。中庭から優しく入る陽の光で特徴的な模様が浮かびあがっていました。
このガラス、もう今は手に入らないそうです。
「この部屋にキャットウォークも作りたいのです。」と奥様は楽しそう。
猫と暮らす日々を存分にもっと楽しみたい、そんな想いを感じ取ることができました。
玄関を入ってすぐ、廊下に続くその入口にも扉がついていましたが
こちらもDIYでつくったそうです。(猫ちゃんが脱走しないように・・)
リノベーションには、職人技により既存の建具を残しつつ、フレームキッチンを取り入れることで新旧のバランスをとったという設計事務所様。
これからこの物件が、住み手によりカスタマイズされ、新しい物語が紡がれていくとおもうと、わくわくしますね。
(文:matsuoka)
[お客さまと木のある暮らしとのつながりデータ]
[建物種類] 戸建てリフォーム
[ご家族構成] ご夫婦2人
[暮らしはじめて変わったこと]
「猫と暮らしたい」からはじまった家探し。それが実現できて、これからもっと自分好みのスタイルに変えていこうとDIYをはじめたこと。