自然を感じる暮らしって、ローカルな場所でなければできないのでしょうか?日本の伝統って、いまの私たちの暮らしとは縁の遠い話なのでしょうか?きっと、そんなことはありません。「自然が、自然に、とけこむ日々」のシリーズでは、もっと自由に、いまのスタイルにあわせて、日本の風習や、季節の情緒を楽しむかたちを探っていきます。
七夕のルーツって何でしょう
日本には五節供(ごせっく)と呼ばれる五つの節目の行事があります。
遠い昔は、節目には隙間が生じ、そこから邪鬼が入ってくると考えられていたため、難のないことを願い供物や厄払いをして慎重に迎えられました。
晩夏の節供と言うと七夕
お正月と7月の満月の日(15日)を、ご先祖をお祀り(おまつり)する日として特に大切にしていた時代、1月7日(人日の節供)と7月7日(七夕の節供)は、その満月にむけて準備を始める禊ぎ(みそぎ)の日だったそうです。旧暦の7月7日は、現代の暦にすると8月初旬。米作りにおいて稲の開花、大雨、日照り、台風、虫や病気など、心配ごとが多い季節を目前に控える頃です。近く行なわれる満月の日の祀り(まつり)では、ご先祖に稲の無事の成長と秋の豊作とを是非とも祈願しなくてはと、その準備にことさら力が入ったことでしょう。
時の流れとともに、旧暦7月の満月に供える大切な日の行事は、いつしか日本と中国の複数の文化が混ざり合って変化していきます。季節の娯楽として最も盛んになった江戸時代には、水盤に映した夜空の星に様々な願い事が祈られるようにもなりました。
夜空に輝きを届ける
長い年月の中でその意味合いが複雑になっていった新旧暦の七夕。今の私達はどんな風に過ごせばいいのでしょう。
きっと正解なんてないはずですから、いつもよりほんの少し夜空に想いを寄せ、遠いご先祖の時代から変わらずそこに在る月星への「ありがとう」や、大好きだった家族を星に映して語りかける「こちらは元気で頑張っているよ」を、夜空に届ける過ごし方をしてみるのはいかがでしょうか。
星のモビールを手作りし、この時ばかりは私達から夜空へ優しい輝きを届けてみませんか?
星のモビールを作ってみましょう
材料
小枝や竹ヒゴ、糸、色画用紙
道具
鉛筆、定規、ボールペン、消しゴム、赤ペン、セロファンテープ、カッティングボード、カッターナイフ、針、糸、ハサミ
1.まずは型紙をこちらからダウンロードして印刷します。作るモチーフの数だけ型紙が必要になるので、作りたい数だけ印刷してください。
※お家にプリンターが無い方は、一番最後に手作りの仕方をご紹介しています。
2.色画用紙を切っていきます。
星の裏側の中心あたりに輪にしたテープを貼り、色画用紙と型紙を仮止めし、ズレないように押さえながら赤印の2ミリ間は残して切ります。
3.型紙を外し、中サイズの星の左右を前後に90度、小サイズの星の左右を前後に45度ずつ倒して折ると立体的な星のモチーフが出来上がります。
4.星のモチーフを作りためたら、針を使い好きな個数の星を縦列に糸で繋ぎ合わせます。
5.小枝や竹ヒゴなど、バーになるものの両端に、モチーフの糸を結びつけます。モビールを吊るための糸をバーに軽く結びつけ、左右の釣合いが取れる位置を探し、かたく結んで固定します。
6.お好みで5で出来た素材同士を別のバーで吊り合わせるなどして、より大きなモビールにしていくことが出来ますよ。
ベランダや窓辺に吊るして外の夜空と合わせてみたり、ベッドルームに飾って寝転んで眺めてみたりして楽しんでくださいね。
※お家にプリンターが無い方は、型紙をご自分で手作りすることもできます。
1.鉛筆で8cmの横線を引き、中心になる4cmのところに印Aをつけ、Aから垂直に7cmの線を引きます。この縦軸の上から2.3cmのところにも印Bを付けておきます。
2.縦線の先端を、8cmの横線の両端と繋いだら紙を180度回転させ、Bが中心位置4cmになるように、8cmの横線を引きます。(このとき、最初の三角形の底辺との並行を意識してください。)この線と最初に描いた三角形の縦軸とが交差する位置から、垂直に7cmの線を引き(先に描いた線と途中まで重なります)先端と横線を先程と同様に繋ぎます。これで2つの三角を重ねた星の形(ダビデの星)が描けました。
3.縦軸の右2mmの位置にボールペンで点線の副線を引きます。
4.鉛筆に持ち直し、繋がっていない4つの先端を対角線で結び、その全ての両端から1cmと2cmのところに印をつけます。1cmの印同士、2cmの印同士を繋いでいくと、最初の星から1cmずつ縮小されたダビデの星が2セットできます。
5.大中小のダビデの星の輪郭をそれぞれボールペンでなぞったら、鉛筆で描いた線を消しゴムで消します。
6.中の二つの星の枠と点線で描いた副線が交わるところと、中と小の星の中心にある先端とに赤ペンで印をします。これで型紙が完成しました。
〈 取材協力 〉