Ki-Mama

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2019.06.18

家族で行ける、木とつながるカフェ #05

【大阪編】古民家とアメリカンビンテージの組み合わせがあじわい深い―LPキッチン―

木のある空間に入って心地よい香りを吸いこむこと、古材のテーブルにふれてその凹凸を感じること、一つひとつ違う木目の味わいを楽しむこと…。生活のなかで、本物の木にふれる機会が減っている今だからこそ、子どもたちにもそんな体験をして欲しい。「家族で行ける、木とつながるカフェ」のシリーズでは、木のある空間で、子どもと一緒に食事を楽しめるお店をご紹介します。

和×洋のハーモニー

大阪市中央区の「空堀(からほり)地区」に、三重県出身の奥さまとアメリカ出身の旦那さまが営むお店があります。

メインの通りから少し横道を入ったところにある、築100年は経っているだろうかという古民家が「LPキッチン」。引き戸をあけると、オレンジ色のランプに照らされレコードの流れる店内にアメリカンビンテージの家具があらわれます。

空堀地区のもつ雰囲気に魅かれて

おふたりがここでお店をひらくことにしたのは、「若い人が自分たちでまちづくりをして盛り上げようとしている感じがして、良いまちだと思った」から。LPキッチンがある「空堀地区」には古いまち並みが残っていて、歴史ある建物を再生したカフェやショップが点在しているのです。旦那さまの故郷アメリカではDIYで家づくりをするのが一般的だということもあり、空気感がしっくりきたのだといいます。

壁はご夫婦で塗り直したそう。梁にペンキが飛んでいるのはご愛嬌。

「とにかく古いものが好き」だというご夫婦にとって、昔懐かしい雰囲気のまちにある古民家は、これ以上ない環境。空き家になっていた古民家を購入し、大工をしている友人の力を借りながら夫婦の力で改装、お店をオープンさせました。

素敵な“ミスマッチ“

お店を設計したのは、建築を学んでいた奥さま。もともとうどん屋さんだった建物の良さを生かしながら自分たちらしさを、と考えたコンセプトは「和の中に洋」。古民家らしい梁や床は残しながら、壁全体をカラフルに塗りなおしました。

キッチン側の壁はヘリンボーンに。おふたりが知らない間についていたというロゴは、工事を引き受けてくれた友人の工務店のもの。

和と洋の“ミスマッチ“を意識して、家具や照明もアメリカンビンテージのものを集められました。古いものどうし相性が良いからか、”ミスマッチ“なのがかえって魅力的。大正ロマンのような雰囲気もあり、不思議と落ち着く感じがします。

蚤の市で出会ったビンテージショップにほれ込み、家具を取り寄せた。
アメリカンビンテージの他に、純和風なものも。奥さまのおばさまが骨董品屋をしていて、おさがりでもらったものがあちこちに飾られている。

LPキッチンのおすすめフード

看板メニューのベーグルは、お店を始める前からおいしいと評判で、友人に頼まれて作っていたほど。アメリカでは毎朝ベーグルを食べていたご主人が、日本でも食べたいと思ったのがきっかけで、一から勉強したのだとか。

きび砂糖を使っているベーグルは、じわっと優しい甘さでそのまま食べても美味しい。サンドイッチにすると、ほのかな甘みと豊かな香りが具材の味を引き立ててくれる。

ベーグルの他に取材班が気になったのは、日替わりメニュー。ご主人がその日に市場で仕入れてきた野菜によってメニューが決まるというので要チェックです。

ハンバーグの下には、きめ細やかでクリーミーなマッシュポテトがたっぷり。残ったソースを浸して食べたい。

子連れママやパパにうれしい座敷

赤ちゃんと一緒でも来てもらえるようにと、2階は座敷になっています。これは、オーナー夫妻の娘さんが小さかったとき、一緒に行けるお店がなかったという経験があったからこその心づかい。ママ会の会場になることも多いといいます。

ランチが16時までとゆっくりできるのも嬉しいところ。近くの方はもちろん、旅行で大阪を訪れた際にはぜひ足を運んでみてくださいね。

〈取材協力〉

「LPキッチン」のチャイルドケア情報

  • 座敷あり
※内容は取材当時(2019年2月)のものです