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Lifestyle

2023.07.27

泡と香りで暮らしを彩る 手づくりせっけん #03

へちまスポンジ石鹸

今年のグリーンカーテンはへちま

こんにちは、石鹸デザイナーの木下和美です。

私のアトリエは、2006年に主人が経営する新潟県燕市の鍼灸院接骨院の隣に併設しました。ここでは、主に手作り石鹸の製造や石鹸スクールを開催していて、アロマテラピーの資格取得スクールも運営しています。

アトリエのグリーンカーテン

新潟というと雪深くて涼しいイメージがありますが、全国の中で最高気温が観測されたりと夏は暑いです。

石鹸や化粧品は夏の暑さや湿気、光などが苦手なので、それらを少しでも和らげるために毎年アトリエの周りにグリーンカーテンを作っています。

グリーンカーテンは植物を這わせて作るカーテンのことで、植物が日差しを遮って室内の温度を下げるだけでなく、植物が蒸散する水分で空気を湿らせて涼しくする効果もあります。

ご近所では、朝顔やゴーヤのグリーンカーテンをよく見かけ、愛犬の散歩の際にはゴーヤの花や実を眺め成長や涼を感じています。

私はグリーンカーテンにはバタフライピーや沖縄スズメウリ、風船カズラを選ぶことが多いです。

バタフライピーティーで作ったおやつのゼリー
沖縄スズメウリの実 熟すと真っ赤になり可愛い (食べられない実です)

バタフライピーは春先に苗をホームセンターで見つけて植え付けます。バタフライピーの花はお茶やお菓子作りにも使えますし、石鹸の色付けに使用することもできます。沖縄スズメウリや風船カズラはかわいい実がなり、心を癒してくれます。

今年はそれらのグリーンカーテンに加え、へちまを育てています。

石鹸デザイナーの仕事。

毎日たくさんの石鹸を作り、国内だけではなく海外でも石鹸講座を開催しています。

Instagram、ピンタレスト、ブログなどのSNSで石鹸の作品の発信を行っていますが、それらを見た世界中の方からメッセージをいただきます。アトリエの最寄り駅は無人駅にもかかわらず、海外から新潟まで受講に来てくれる方もいらっしゃいます。

6年ほど前からは、海外の石鹸協会やスクールに招待していただけるようになり、韓国の大邱やソウル、北京、香港、台湾、マカオ、ジャカルタ、ドバイ、タイ王国でレッスンを行いました。

海外でのレッスン風景。台湾とタイ王国。

コロナの影響でしばらく出張講座はお休みしていましたが、今年の3月から海外出張石鹸講座を再開し、3月は台湾、4月はマカオ、5月はタイ王国、6月に香港で石鹸講座を開催しました。

今後は上海、マレーシアと出張レッスンが続きます。

観光地、マカオと香港。

久しぶりの海外出張石鹸講座の初回は台湾。

台湾へのレッスンは4回目でしたが、台湾に行くとなぜかはわからないのですが、いつもへちまを見かけます。

台北市内にある商店街「迪化街 (ディーホアジエ)」では乾燥へちまが販売されていて、日本で見かけるへちまよりも、ミニサイズのものがかわいく珍しいのでいくつも購入してしまいました。

また台湾のホテルにはへちまたわしが置いてあることが多く、秋頃に台湾に行った時には教室の窓から大きなへちまがいくつもぶら下がっている姿が見えました。細いツルに大きなものがぶらさがっているアンバランス感がとてもシュールで涼しそうに見えました。

へちまスポンジ

石鹸作りをしている私にとって、へちまはとても魅力的な素材です。へちまの有効成分やスポンジを利用して、へちま石鹸、へちまの石鹸置き、へちまローション、へちまたわしなどが作れ、グリーンカーテンにもなり涼しさと癒しを与えてくれます。

いつか自分でも育てようと思っていたのですが、台湾でへちまを手にしたとき、今年は自家製で石鹸などのクラフトを作ろうと考え始め、ついに植えてみることにしました。

MPソープで作るへちまスポンジ石鹸。

今回作る石鹸には『MPソープ(グリセリンソープ)』を使用します。

MPソープは天然の保湿成分であるグリセリンがたっぷり含まれていて、電子レンジで温めて溶かし、お好きな色と香りをつけて型に流し固めて使用できる手軽な石鹸になります。

グリセリンソープは石鹸成分以外にも保湿成分をたっぷり含んでいるのでお肌に優しくしっとりと洗いあがります。

身体や顔を洗うとき、私はスポンジやタオルを使わず手で洗っていますが、サンダルを履く時期が近づくと、たわしでかかとをガシガシ洗いたくなります。

石鹸とスポンジが一体になったへちまスポンジ石鹸は、洗う際に泡立ちお肌の負担を減らすことができ、見た目もかわいい機能的な石鹸になります。

かかとや肘など角質を落としたいところにそのままこすりつけて洗えるボディケアにもピッタリな石鹸です。

石鹸がなくなってスポンジだけになったら、乾燥させて何度もスポンジとしても使えます。

透明な石鹸の中に輪切りにしたものを閉じ込め作るのですが、夏の日差しが石鹸の中のへちまの繊維をよりくっきりと見せてくれます。

それでは、へちまの自然の造形美を楽しめるカラフルへちま石鹸を作ってみます。

へちまスポンジはインターネットで1年中購入することができます。

へちまスポンジ石鹸の作り方

材料(3~4個分)

MPソープ* 300~400g

植物性の色材もしくは食紅(赤 青 黄色)適量(各0.5gほど)

乾燥スポンジへちま (紙コップの底に入るくらいの直径 1~2㎝ほどの厚さ)

お好みのエッセンシャルオイル

紙コップ(輪切りのへちまが入るくらいのサイズ)

耐熱性のスプーン

電子レンジ対応耐熱カップ

カッティングボード&ナイフ

*MP:Melt(溶かす)、Pour(注ぐ)電子レンジで溶かして型に入れて固める石けん素地のこと

①乾燥したへちまを輪切りにする。
②植物色素を少量の水で溶く。
③MPソープを溶かし適量を紙コップの中に入れる。
④好きな色と香りを付ける。
⑤ ④の中にへちまを沈め冷ます。
⑥固まったら紙コップから出し完成。紙コップにはさみで切れ目を入れはずして完成です。
⑦ラップでラッピングすると綺麗で長持ちします。

石鹸作りに目覚めてからは手にするものすべて石鹸に活かせないかを考える思考ができていて、“へちま”という素材は大変興味深い素材になります。

実の中には自然の造形美といってもいいかわいらしい断面のスポンジ。

今回は市販のへちまスポンジを使用しましたが、今現在、へちまは元気に育っているので、次は花と実を愛で収穫し、スポンジづくり、そして自家製へちまスポンジ石鹸を今年は完成させたいと思います。

簡単に作れるので、色とりどりのヘチマスポンジ石鹸を作ってみてください。

お部屋にかざってもかわいいですよ。

石鹸デザイナー アロマティカラボ代表 木下和美
生活の中にアロマテラピーを取り入れる方法を提案するために、2006年アロマサロン&スクールアロマティカをオープン。
2013年には化粧品製造業、化粧品製造販売業の許可を取得し、手作り化粧石けんのお店アロマティカラボをオープン。
アロマクラフト作りの中でも手作り石けんの人気が高く、海外や県外からも受講者が来訪。
日本全国をはじめ韓国・北京・香港・台湾・マカオ・インドネシア・ドバイ・ロシアにもレッスンで招致されている。
関連著書は、「あなたの誕生石がつくれる ジュエルせっけんキット」 (ポプラ社)「ハンドメイドの宝石せっけんの教科書」(エクスナレッジ)など多数。

HP:https://www.ass-aromatica.jp/

Instagram:https://www.instagram.com/kinoshitakazumi/


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