光と石、ヴィンテージに囲まれて
山口県下関市に新築されたT様ご夫婦とまだ幼いお子様の3人暮らし。
ご主人の転勤を機に、奥様であるHALさんのご実家が近いことやお父様から受け継いだ大切な土地があったという良縁も重なり、この場所で家づくりがスタートしました。
お家のガイドラインとなったのは、HALさんが「見たい」と願った景色。
かつてはブライダルの現場で、現在はアイブロウリストとして、日々「美」を形にすることに向き合っているHALさん。そんなプロとしての繊細な感性と審美眼で、SNSで見つけた好みの画像や、設計事務所の施工写真を参考に、ひとつひとつパーツをはめるように理想の住まいを形にしていきました。
迷いの中に現れた、木のキッチン「su:iji(スイージー)」
家づくりにはとことん向き合い、中でも一番追求したのはキッチン空間でした。
理想のイメージに近い「木の造作っぽいキッチン」を探し、いくつかのメーカーを検討し、ショールームにも足を運ばれました。しかし、はりものではない本物の木をイメージされていたHALさんの心にしっくりくるものにはなかなか出会えなかったといいます。
そんなときに、工務店にお勤めのご主人の脳裏に、ふわっと思い出されたのがWOODONEの木のキッチンsu:iji(スイージー)でした。
おふたりで一緒に写真をみたところ、「これじゃん!」とイメージにぴったり。
そこからはほとんど悩むことはなく、ショールームへは扉の色味確認のため1度訪れただけとのこと。
選ばれた扉は、フラットなデザインのNZ20(ニュージーパイン)、ライト色。
su:iji(スイージー)NZ20、ライト色
「ライト色の施工写真が少なく、この色にたどり着くまでが長かったです」とHALさん。家づくり全般でInstagramを活用し、好きな雰囲気の写真を見つけると投稿主にメッセージを送って相談することもあったそうです。「みなさんとても親切で、品番や色だけでなく動画を送ってくださる方もいました」。
HALさん自身のアカウント@thm129___ にも同様に、お家づくり中の方からメッセージが届くこともよくあるそうで、素敵なお家づくりの輪は引き継がれています。
光と石と木が創り出す、お気に入りの眺め。
キッチンは、リビング側からみたフラットな佇まいが一番のお気に入り。
「この景色がみたくてsu:iji(スイージー)にしたんです」とHALさんは語ります。
壁面に採用したのは、絶対にお家に使いたかったという美しい大谷石(おおやいし)。
どこまで石を貼るか、最初は背面だけの予定ですごく悩まれたそうですが、最終的にはキッチン横までしっかりと貼り込むことに。「ここまでにして正解でした。このおかげでより映えるキッチン空間になった」とご夫婦ともに大満足の仕上がりに。
窓際の照明が美しく大谷石を照らし、空間をより幻想的に演出しています。
自然がつくる造形美「大谷石」と、愛おしい日常
素材の美しさに惹かれ、HALさんが絶対にお家に使いたかったという「大谷石」は、栃木県宇都宮市で採掘されます。軽石凝灰岩(かるいしぎょうかいがん)の一種である大谷石は、古くから著名な建築物にも使われてきた歴史ある石材。独特の柔らかい質感と「ミソ」と呼ばれる茶褐色の斑点が生み出す素朴な表情が、同じ自然素材である木とも見事に調和します。
そんな、自然素材ならではの豊かな風合いは、小さな娘さんの好奇心もくすぐってしまうよう。
「実は、子どもがミソの部分を指でほじっちゃうんです(笑)」とHALさん。
自然の造形が生んだ「ミソ」がお子様にとってはついつい触りたくなってしまう不思議な遊び場。そんな光景もまた、このお家ならではの愛おしい日常の一コマになっています。
家事を支える食洗機
日々のお料理はHALさんが担当し、食後の片付けはご主人の役目。そんなご主人の片付けの相棒は海外食洗機のミーレ 。
「ミーレは神ですね。自分のお客様からも評判は聞いてましたけど、やはり…」と、ご主人。その実力に改めて感銘を受けた様子です。
理想を形にしたキッチンは、ただ美しいだけでなく、忙しい共働きご夫婦の家事を支える心強い味方にもなっています。
じっくり選んだヴィンテージ家具と引き算の照明計画
リビングを彩る、端正な佇まいの調度品。
それらは、HALさんがインターネットで探し抜き、他県の実店舗まで足を運んで現物を確認して選んだ精鋭たちです。ダイニングテーブルを優しく照らす、ルイスポールセンのペンダントライトは、照明屋さんとじっくり打合せ。テーブルの高さと綺麗に調和する位置をミリ単位で調整しました。
照明計画には一番時間をかけ、工務店さんと何度も打合せを重ねたそう。部屋は少し暗めがお好みというHALさんの希望を反映し、最初の提案からはずいぶん照明の数を減らしたそうです。
「LDKの照明を全部落して、庭の照明とリビングの灯りを2つほどつける。そんな夜の雰囲気が好きです」。
余計な光を削ぎ落としたことで、上質な家具と木の質感がより際立つ穏やかな時間が流れます。
夜の静寂とは対照的に、朝は南に面する中庭の窓からたっぷりと光が入り、気持ちのいい一日が始まります。光の軌跡まで緻密に設計された空間は、時間帯ごとに異なる表情で家族を包み込んでくれます。
廊下
収納は整えたくなる空間に
洗面室横に設けた、家族みんなのウォークインクローゼットは、ウッドワンの収納カタログに掲載されていた事例をそのまま採用。イメージの写真を工務店さんにお渡しし、「お任せ」で完成した空間です。
あえて引出しは置かず、棚板を選定。
「あえてオープンに、お店のディスプレイのように綺麗に並べることで、洋服を片付けるモチベーションが上がるんです。そうすることで、無理なくこのすっきりとした状態を保つことができています」。
HALさんが思い描いた「見たい景色」を信じ、ご主人の確かなプロの目で完成したお家。
こだわり抜いて選んだパーツが、今ではご家族の日常に溶け込み、かけがえのない風景の一部になっています。
(文:稲田)