アロマと木のよい関係。自然と暮らすことを考えたきっかけ。
選んだのは自然素材の家。
成人して就職するまで、東京で生まれ育ったというご夫婦。九州への転勤をきっかけに、暮らしに求める価値観が変わったといいます。
「ずっと東京で暮らしていたので、知り合いが全くいない九州に転勤になると聞いたときはショックで…。時空を超えて違う世界に行ってしまうのでは、というくらい。引っ越ししてから2週間ほどずっと泣いていました。」そう語るのは奥様のmaikoさん。もともと病弱で体調不良なことも多かったので、暮らしに慣れるまで不安だったといいます。
そうはいっても、ずっと泣いてはいられないので、自分で働く場所を探したり、新しい場所でも周りとのコミュニケーションをはかる努力をしたそう。その甲斐あって、なんだかいつもすぐれなかった体調も、人から教わった「自然療法」で身心ともに健やかに暮らせるようになったといいます。ゆるく穏やかな空気と、溌溂としたエネルギーを同時に放っているような奥様からは、お話をしているだけで、元気がもらえました。
家に入った瞬間「ととのっている」空気を感じたお宅
最寄り駅から徒歩で20分。ゆるやかな坂をずっと登った先に、自然豊かな大きな公園がある。九州転勤から、約6年の時を経て、また関東に戻ってきて住む場所に選んだのがこの土地だった。公園のすぐそばにある家は、入った瞬間にアロマのよい香りが漂っていた。
大分、別府での暮らしを経て、「自然と暮らす」が家づくりの基盤になった。
「温泉と、山と、海ですよ。」大分は温泉が多く、農家さんの野菜が簡単に手に入って...。あっちにいる間、いろんなところに遊びに行きました。出会った人に助けられ、ありがたい情報をいただきました。田舎なので、大きい家に暮らしている方がほとんどで、大きなお皿にまげわっぱのお弁当箱、玄米おにぎりにマクロビに、暮らしのお手本にさせてもらうことがいっぱいありました。
こちらにまた帰って住む場所を決めるときには、ご主人と「絶対に緑が見えなきゃ嫌だね」と話したそう。
窓の外は、緑でいっぱい。
結婚してしばらくはずっと夫婦2人だったが、九州にいる間にお子さまも増え、そしてこちらに戻ることになったときには、寂しくてまた2週間泣いたそう。笑
東京で暮らしていた頃は、23区で、駅近で…と当たり前に考えていたが、6年間暮らした九州での出来事が、暮らしに求める価値観をがらっと変えた。
内装は、やっぱり自然素材のものがよかった。
玄関をはいってすぐに、キッチンがある。
工務店は、自然素材で建ててくれるところを何件かまわりました。家を建てるときって打ち合わせが多いですよね。子どもも小さかったので、当時住んでいた家から一番近いところにおねがいしました。
maikoさんは現在、ご自宅で「アロマ」のお仕事をされている。
絶えず人の出入りがあるからか、人を招く基盤が整っているように感じるのかもしれない。
木の家に住んでいると、アロマをしていない日でも、未だに木の香りがするんですよ。
壁が珪藻土だからかもしれません。ドヨンとしなくて、空気がいいんですよ。
アロマは、九州に暮らしていたときに知人に教わったもの。
「心も体も元気になった」というご自身の経験から、みんなにこの良さを知ってもらいたい、みんなを救ってあげたい、そんな強い想いがあってお仕事としてはじめられた。
「悩みや不安のないひとって意外と少ない気がします。」
日頃悩んでいることや、体調で不安におもっていることなどを丁寧にきいてくれて、その場でオリジナルのアロマを調合してくれる。
私自身“いい病院”“いい薬”をずっと検索して探していたけれど、アロマに出会ってから、健康不安がなくなったのがほんとうにうれしいこと。めぐり合わせですね。
自然素材はお手入れがめんどくさい、は誤解ですよ。
サッと拭けばしょうゆでもぜんぜん染み込んだりしないです。汚れもキズも、適度に隠せていいんです。
実家のキッチンはピカピカの素材なので、ずっと拭いておそうじしないといけないから大変だといつもおもいます。
J取っ手(掘り込み仕様)は、触るたびに木を感じれるから、お気に入りの一つ。
ほこりもそんなにたまりません。あ、毎日ちゃんとお料理してますよ。
新築の時は肌色でしたもんね。愛着がわくって本当ですね。
だんだんと飴色に経年美化していく様子をみていると、どんどん家が好きになっていきます。
木だと、指紋が付くとかはないですよね。汚れてても、その汚れがいとおしいです。
チェッカーガラスは昭和ぽくていいですよね。(※現在は廃盤)
最近は娘さんもお料理やお菓子作りをするようになって「けっこう汚してくれる」のですが、掃除も嫌いではないそう。
ステンレス天板の油汚れには、重曹xお水xオレンジのアロマでキレイにしています。
オイルをそのまま垂らして磨いたりもしますね。香りで癒されて気分も上がってくるんですよ。
レモンとかオレンジの柑橘系がおそうじにむいています。
床のおそうじはほうきの日、掃除機の日がある。
杉の床は、柔らかいので、傷まないようやさしくしてあげたいから。
今は家でアロマの仕事をしながら、通信制の大学に通っている。
まだまだやりたいことがあるというmaikoさん。
暮らしや気持ちが整うと、新しいことにも挑戦しやすくなるのかもしれませんね。
コロナ禍がはじまってから行けなくなってしまった九州にも、また遊びに行きたい、と教えてくださいました。
maikoさんのInstagramは こちら
(文:松岡)