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行き止まりのない家

住まい手の暮らしに合わせた住戸へ

博多駅から電車で20分。街からすこし離れ、豊かな自然に包まれた糟屋郡粕屋町。福岡市のベッドタウンであるこの町で、築25年のマンションの1室をリノベーションされました。そこには、決められた間取りに住まい手が合わせるスタイルから、住まい手の生活や嗜好に合わせた暮らしへ転換するための工夫が詰まっていました。
人工的な素材をできるだけ避け、地元九州の材料をふんだんに使った、自然素材特有の経年変化を楽しむことが出来るお宅です。

お部屋に入った瞬間優しい明かり、優しい音楽が流れていてベランダから緑が見えた。

程よく木に包まれていて、とても心地よい。玄関を開けて見えるこの景色はご主人のお気に入り。築25年の建物からは想像のつかないようなこの空間は、家に帰ってくるたびに改めて「いいな」と思うそう。

和を基調とした部屋にはご主人が趣味で集めているというアート作品が並び、和モダンな雰囲気。

流行に左右されず、長く愛着を持って暮らすことができるよう和風でシンプルな内装デザインにされたそう。

地産地消で地域活性化につなげたいという思いから、地元九州をはじめとした国産材をふんだんに使用している。

床:小国杉(熊本県産)、天井:熊野杉(奈良県産)、壁:シラス壁(宮崎県産)

今回設計を担当された松本さん(奥)と施主の伊東さん(左)は、元同僚というつながり。

現在はお2人とも独立して、設計事務所・工務店をしている。古いマンションをリノベーションする案件が今後増えていくと考えた伊東さんは、これを機に自宅兼ショールームとしてリノベーションされた。

プランを考える中で、松本さんは特に“回遊性”を意識したという。

こだわったのは部屋の真ん中にキッチンがある間取り。キッチンを中心に、各部屋を“行き止まらずに”一周できる。

元々部屋の真ん中にあったリビングは、あえて入り込んだところに据えたことでゆっくりと落ち着いて過ごせる場所に。

“行き止まりのない間取り”について伊東さんは

「一軒家と比べると部屋の面積は広くないですが、行き止まりがないので実際よりも広く感じます。

普通のマンションに比べたら、子どもたちものびのび過ごせていると思います。」とこの家の過ごしやすさを語ってくれた。

キッチンは、su:ijiのL型。

ここに引っ越すまで食器は全て手洗いしていたという奥様。

「食洗機は本当に必要なのかなと思っていましたが、たくさん入るのでとても助かっています。」

L型のキッチンは作業スペースが広くあるから料理がしやすい。

お子さんに『一緒にお料理したい』と言われたときは、一緒に広々と作業できるそう。

収納は壁面に設けることで、戸建てのような広さがなくても十分な収納量がある。

使いたい場所に使いたいものをしまえるよう、各部屋にそれぞれ収納スペースを設けてあるので

テーブルとイス以外の家具はほとんど買う必要がなかったそう。

カーテンの代わりに窓側には障子が入っている。障子はすべて壁の内側に収めることが出来るので圧迫感がない。

“住む人の生活や嗜好に合わせた暮らし”へ転換を図るための、工夫と思いが詰まっている。

(文:Mo)

[お客さまと木のある暮らしとのつながりデータ]

[建物種類]マンションリノベーション
[ご家族構成]家族4人(30代ご夫婦、息子さん2人)
[ウッドワンの商品を選んだ理由]設計士の松本さんからの提案。松本さんのお宅でもスイージーを採用されている。
[暮らしはじめて変わったこと]
・マンション暮らしでも広々と過ごせるようになった。
・各部屋に収納が設置してあるので、収納家具が必要なくなった。


このスタイルで使用している商品

設計:松本設計


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