セカンドライフで叶えた、本物の木の家の暮らし
毎日を豊かにする仕掛けを、あちこちに満たしたお住まい
気ままに拭いたりする時間を楽しむためだけに設置したキッチン横の柱。なぐり加工のクリの床に、武家屋敷のようなラワン材のあらわし天井。長年の夢をかなえたお住まいのなかは、木材の面白さを味わい尽くす仕掛けで満たされています。愛犬の個室、音楽、自動車、スニーカーに和凧と、ご夫婦の大切なものを詰め合わせながらも全てがひとつにととのっている暮らしのご様子は、匠の組み上げた繊細な工芸細工そのもの。近江の地に息づく、豊かな暮らしの創り手をたずねてきました。
K様ご夫婦(両端)と、設計士の安井さん。
夫婦で住宅展示場を見て回るなかで「(木の家かなと期待して見学しても)内装には『木に似せたもの』を使っている会社がとても多いと感じた」という。
そんななかで安井さんの建てた現場写真に出会い、「この家を建てた人に頼みたい」と家づくりのご縁が始まった。
独特な表面加工を施したクリの無垢材の床。
超個性派の床材だが、足裏の踏みごこちがとても良い。
好みが明確なご夫婦だったことから、安井さんが「間違いなくお好きだ」と確信してお勧めされたフレームキッチン。
フレームキッチンについて「文句なしのカッコよさで圧倒的だった」というご主人と、「引出は奥に何を入れたか忘れてそのままになるから、これが良いと思った」という奥さま。その言葉通り、どこに何がどれだけあるかがすぐにわかる配置になっている。
LDKにつながる内装や家具は、フレームキッチンに揃えてすべて「木と黒系の鉄」にして統一感を大切にした。
階段も手摺を木製ではなく鉄製にしたことで、 こってりしすぎず空間を引き締める役割を果たしている。
よく探すと家のいたるところに、ちいさなキャラクター達が鎮座している。
住まいの中に溶けこむ力は忍術でも使っているのかと思うほど、お見事。
仕事で関わるようになってからご主人の趣味のひとつになったという和凧。
日本各地に伝わる凧の文化風習を聞きながら眺めると、一段と面白味が増してくる。
キッチンには夫婦どちらも立つことがある。
使ったあとにシンクを毎日拭きあげるのはご主人の役割。 「キッチンがただの作業場ではなくなった」と、大切に使いたい思いを話してくれた。
奥さまも、「置いてあるものがすぐわかるし、空気がこもらなくてとても良い」と笑顔。
多趣味なご主人の秘密基地であるクローゼット。
この家でつむぐ溌溂とした未来の種が、凝縮されている。
建築会社と阿吽の呼吸で家づくりを進めてこられたなかで、唯一意見の食い違いがあったという天井の仕上げ。
最終的に設計士の安井さんを信じて正解だったとご主人が指し示すあらわしの天井は、まさしくこの住まいの風格を一段と高めていた。
(文:早川)
[お客さまと木のある暮らしとのつながりデータ]
[ウッドワンの商品を選んだ理由]
・文句なしのカッコよさだったこと。
・モノの在り処がすぐにわかるので、デッドストックをなくせそうだと感じたこと。