Ki-Mama

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2022.08.19

木と住む知恵 #04

木のまな板は“削りなおし”でよみがえる

木材って、本当はどんな材料なのだろう。どんな魅力があるのだろう。「木と住む知恵」のシリーズでは、知っているようで知らない、「木」にまつわるあれこれについてお話ししたいと思います。

木のまな板は、黒くなっても削れば使える。

木のまな板を長く使っていると、きちんとお手入れをしていても黒ずんでしまうもの。でも、黒ずみが気になるからといって、捨てないでくださいね。表面を削れば、きっとまだまだ使えます。
今回は、黒ずんでしまった木のまな板を用意し、実際に削ってみました。

用意したのは、長年使い込まれて黒く変色した木のまな板。20年位使っており、母から息子夫婦に受け継がれた米ツガの大切なまな板です。

表面だけでなく、側面も黒く変色しています。さらに、少し反っていて真ん中のあたりが浮いてしまっています。これでは、包丁をおろしたときに隙間ができて切りにくそうです。

まるで神社やお寺の柱のような年季を感じる。

本当にきれいになるのか少し不安に感じながらも、電動式の大きなカンナのような機械で板の表面を少しずつ削っていきます。

2mmほど削りおえたところ。表面の黒ずみが取れ、きれいになってきた。

削り終えたまな板がこちら。まるで新品のように生まれ変わりました!

削る前とは別物のよう。白木の美しさがよみがえった。

側面も削ったらこんなにきれいになりました。反りもなくなって、使いやすそうです。

削りなおしサービスを利用してみましょう。

今回は大型の機械を使用しましたが、少しの黒ずみならサンドペーパーで削ってしまえばきれいになります。サンドペーパーで取り切れない場合には、削りなおしサービスを利用してみましょう。まな板を買ったところでやってもらえる場合もありますし、削りなおしをしてくれる業者さんもあります。

木は、メンテナンスをしながら永く使い続けられる素材。せっかくの木のまな板ですから、お手入れをしながら永く大切に使いたいですね。

メンテナンス可能な素材。

まな板だけではなく、身近にある木の製品で、永く大切に使えるものがあるかもしれません。実は、ちょっと凹んでしまった木の床も、アイロンがけで元通りになることもあるんです。

 

まな板が木でできているのも、きっと、こういう木という素材が持つ力を知っていた、先人の知恵からなのかもしれませんね。