こんにちは、さとうゆみこです。
新緑の美しい季節、さまざまな木々がおおらかに茂る姿にうっとりしますね。
今回お話しするのはグリーンについて。
グリーンといってもさまざまですが、ここでは土に植えてあるものではなくて、カットされた、切花としてのグリーン(切花界ではバラなどのお花に対して「葉物(はもの)」とも呼ばれています)についてお話ししたいと思います。ブーケにおいて、葉物は一般的にお花の脇役として使うことが多いのですが、近年は葉物の種類が豊富で、花に負けないような美しいものがたくさん揃うようになってきました。
しかも、これからの暑い時期に室内にも取り入れると涼やかでおすすめです。今回はたくさんの種類を束ねたグリーンブーケから、気軽に少しだけ取り入れる方法までご紹介します。
※以降、今回はわかりやすいように「葉物」と書くことにします。
レッスンでも人気のグリーンブーケ
「グリーンブーケ」という名前でレッスンのテーマにしたのはおよそ15年ほど前。暑い時期でも切花を楽しんでもらいたいというのが一番のきっかけでしたが、何よりも自身が葉物好きだったので、いろんな葉物を入れたブーケがあると素敵だろうなと思ったのです。当時は、葉っぱばかりの一見地味なブーケに人が集まるのか、正直自信がありませんでしたが、心配をよそに、グリーンブーケはインテリアにも合わせやすく、親しみやすいスタイルとして人気のレッスンとなりました。
涼しげな見た目
暑い時期にドウダンツツジを花器に飾って楽しんでいるのをよく見かけます。持ちもよく、涼やかな雰囲気がいいですよね。ただ、定番のドウダンツツジ以外にも自然にはたくさんの種類のグリーンがあります。庭や公園、街路樹をよく見てみてください。素敵な「葉物」がいくつも見つかります。
グリーンと言っても形や色がさまざま
一言で、葉物といっても、世界中にはたくさんの種類があります。短い草のようなものから長い枝物まで大きさもさまざま。形は丸い、細い、線のようなもの。模様が入ったもの。色もライムグリーンのような明るいタイプから、銅葉と呼ばれるような赤や茶色をしたものもあります。多様なものを混ぜ入れるとまるでお花が入っているかのようにぎやか。レッスンではアクセントとしてグリーン色をした「花」や「実」も入れて楽しんでいます。華やかな色の花とは違った、独自の面白さがありますね。
観葉植物よりずっと気軽に
室内のグリーンといえば、観葉植物(インドアプランツ)が持続的で親しみやすいのかもしれません。ただし、適度な日当たりや水やりを考えると長期間育てるのが難しい方もいるでしょう。カットされた葉物であれば、どんな場所にも置けて、次々と気分によって雰囲気を変えることができます。「長持ちしすぎない」「いずれ無くなっていく」というのは、ときにはメリットとなるのかもしれません。
少しでいい
今回、切花の葉物という意味で、あえてグリーンブーケというタイトルにしましたが、使う本数は1本でももちろん大丈夫。枝1本だけ、小さな草もの少しというのでも構いません。空間やその時手に入るものに合わせてしつらえればよいのです。
口の広いものに数本だけ横になるように投げ入れてもいいし、ジャムや調味料が入っていた瓶を再利用することもあります。花器もいいけれど、雑器に入れるとさりげない感じになるのでおすすめです。
庭やベランダのグリーンを使って
葉物はお花屋さんで買うだけでなく、身近なところから調達することもできます。お庭のユーカリ、オリーブの樹木類。他にもススキなどの草やフェンスに絡んだ蔓性のものも涼しげで美しいものです。
ベランダのハーブ類もいいですね。私はよく、庭のハーブを数種、適当にカットして、瓶にまとめて入れてキッチン近くに置いています。
ハーブ類は仕上げにサッと使うことが多く、窓からすぐ出たところでさえ採りに行くのが面倒なことがあるので、摘んでそばに置いておくととても便利です。
茂り始めたキッチンハーブ類は定期的な剪定をすると生育がいいので、収穫を兼ねてザクっと多めにカットしておくと一石二鳥。結局、一瓶使いきれないことが多いのですが、1〜2日経ったらコンポストに持っていき、再度フレッシュなものを用意しておくという繰り返しが、ハーブにも私にもちょうど良いようです。
少しだけ花を入れてみても
緑色ばかりで作るグリーンブーケですが、先ほどレッスンのところでもお話ししたように少しだけアクセントに花が入るのもやっぱり素敵。身近なものを集めてきて、そこに購入した季節のお花を1、2輪入れると野生的な趣ながら季節も感じられる美しい花活けとなります。
私の観察コーナー
我が家にはリビングの一角に「観察コーナー」があります。余った切花や庭に生えたものなど、少しずつ花器に入れておいて、毎日観察しているのです。花びらがどんなふうに朽ちていくのか、全体の日持ちがどれくらいなのか、小さなつぼみは咲いてくれるのか…、など、ここでいろんな発見をしています。
ポイントは、「飾る」とか「誰かに見せる」など、見た目を気にせず水に差していくということ。ただ、水換えはきちんとやるようにします。時には、根っこが出てきて、植木鉢にデビューした子もいます(笑)。飾るのではない、ここはあくまでも自分だけが楽しむ観察コーナーなのです。誰にでもおすすめするわけではないのですが…植物好き、そして観察好きな方はぜひ!
身近におくことの楽しさ
以前は、庭に植物があればそれだけでうれしかったし、いくら植物好きでも、窓から眺める植物たちが美しいので、それだけで十分満足していました。
しかし、最近はまた若い頃の情熱が戻ってきたというか、「土」との距離が近くなってきたからなのか、まだ知らなかった植物の表情を再発見するのが個人的なブームになってきています。美しい庭と田舎暮らしで知られるターシャ・チューダーは、あれだけ自然に囲まれた暮らしをしながらも、常に庭から手折ってきた植物を部屋に置いて愛でていたといいます。私も若い頃は、摘んできた草やレッスンで持ち帰ってきた花をよくスケッチブックに描いていた思い出があります(今のように画像を気軽に撮ることができませんでしたからね)。写真とは違う面白さがあって今でも時々描きたくなります。
恒例になったグリーンブーケレッスン。じつは、グリーンをしつらえるという見た目のことだけでなく、それ以上に皆さんにたくさんの種類のグリーンを楽しんでもらえる機会になったらという思いもあります。グリーンには、形や色の違いがあると言いましたが、他にも、触った時の質感、香り、揺れ方、日持ち具合など、一緒に過ごすと身近に自然を感じることができるし、面白いことがたくさん!
秋にはまたグリーンブーケを開催する予定です。季節が変われば、植物も雰囲気もガラリと変わり、また素敵なブーケが出来上がると思いますよ。
みなさんも、これから暑い時期、ぜひお部屋の中に涼やかな葉物を取り入れてみてくださいね。
さとうゆみこさん
「green & knot」を主宰。フラワーショップやインテリアショップ、専門学校の講師を経て、現在はフラワーコーディネイトやグリーンアドバイザーのほか、植物にまつわるあらゆるジャンルで活躍している。自宅で行なっているフラワーレッスンも人気。
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